Wind River Blog Network 翻訳版
本サイトでは、Wind River Blog Networkの一部を翻訳し公開しております。

December 18, 2017

チャイナテレコムとウインドリバーがTitanium CloudベースのvBRAS PoCで協業


投稿者:Charlie Ashton

チャイナテレコムとのこれまでのNFV(Network Functions Virtualization)プロジェクトを生かして、ウインドリバーでは先日、チャイナテレコムとの仮想ブロードバンドリモートアクセスサーバ(vBRAS)のPoC(Proof-of-Concept)を完了しました。同社は、世界最大の統合通信サービス事業者です。

今回のプロジェクトを同社がどう捉えているかを知るために、チャイナテレコムの3つの主要R&Dセンターの1つ、China Telecom Guangzhou Research Institute(GSTA)のNFV Technical Research責任者、Ou Liang博士からお話を伺いました。GSTAのデータ通信部門は、同社のvBRASのNFVプログラムを進展させるために、NFVソリューションの評価、標準化の推進、将来の商用展開に向けた戦略的サポートを行っています。この部門が今回のPoCを主導しました。

この記事では、Ou博士から聞いたvBRAS PoCの評価基準、チャイナテレコムがNFVプラットフォームとしてWind River Titanium Cloudを選んだ理由、PoCで得られた測定可能な結果について簡単にご紹介します。

vBRAS PoCの背景

BRASは長年MAN(Metropolitan Access Network)の主要機能でしたが、チャイナテレコムは既存のBRASソリューションをvBRASで置き換えることを検討しています。メトロエッジに位置するBRASは、各種ネットワークサービスの入り口です。仮想化の採用により、BRASはネットワークリソースのプールや、ネットワークエッジでのレジリエントなプロビジョニングを実現できます。ネットワークアクセス制御レイヤが通信キャリアの固定網で重要な役割を果たすので、vBRASベースのNFVソリューションは、高トラフィックへの対応と、高い信頼性が必要です。

vBRAS PoCでは、4つの主要要素を評価しました。

  1. 安定性
  2. 堅牢性
  3. 転送パフォーマンス
  4. メンテナンス

Titanium Cloudは、NFVソリューション(VNF、仮想化、ハードウェアレイヤ)を実現する通信事業者向けクラウドプラットフォームです。vBRAS VNFをTitanium Cloud上で実行することにより、GSTAはNFVスタックのパフォーマンス全体を把握できるほか、さまざまな組み合わせをテストすることで、ローカルベンダが提供するラックスケールソリューションの安定性、スケーラビリティ、対応を評価することができました。

ウインドリバーとTitanium Cloudを選んだ理由

チャイナテレコムはさまざまな理由で、協業相手にウインドリバーを選びました。まず同社では、通信分野の専門性を持つ、熟練のクラウドプラットフォームベンダを探していました。数十年にわたるOS設計・開発経験があり、通信ネットワークの要件に対応してきたウインドリバーは、理想的な選択肢です。

次に、GSTAはNFVテクノロジ開発のオープン性を確保し、従来の孤立したネットワークを避けるために、独立系のサードパーティNFVIプラットフォームを必要としていました。オープン性は極めて重要でした。オープンプラットフォームでなければ、将来のNFV評価の要件を満たし、従来の孤立したアーキテクチャを避け、リソースプールの一元化を実現することは不可能です。さらに、ハードウェア、仮想化プラットフォーム、NFVベンダから構成される、互換性と相互運用性を保証するエコシステムの構築には、ベンダ各社による認証や協業も必要になります。Titanium Cloudの標準ベースのオープンソースコアが鍵になりました。

最後に、GSTAはこれまでのNFVインフラの評価を踏まえて、Titanium Cloud NFVプラットフォームのキャリアグレードの堅牢性、安定性、パフォーマンスを熟知しており、好印象を受けていました。同時に、NFVプラットフォームのキャリアグレード機能が、vBRAS向けに商用化されていることも必須条件でした。

結果の数値化

GSTAはvBRAS PoCにより、データプレーンとコントロールプレーンの分離を実現できました。コントロールプレーンのマイクロサービスとデータプレーンの汎用性を実現し、現行のネットワークハードウェアの孤立化を解消するとともに、独自仕様の機器の不均一な利用率に対処し、新しいビジネスチャンスやアップグレードのリードタイムの短縮を図ることが可能です。このほか、Titanium Cloudの成果として、以下の数値化されたメリットが得られました。

  • 開発期間を3か月短縮できました。
  • テストと確認のためのコストを20%削減できました。
  • 市場投入までの時間を半減できました。
  • エンジニアリングスタッフの生産性を高め、お互いのコラボレーションを強化することができました。

GSTAはvBRAS PoCの結果に基づいて、来年に商用フィールドトライアルを実施する予定です。

Ou Liang博士は今回の経験を次のように総括しています。「Titanium CloudのキャリアグレードのNFVインフラと、ウインドリバーのビジネスサポートの両面で好印象を受けました。ウインドリバーの商用テクノロジ、経験、サポート体制は期待以上でした。GSTAでは、格段に短期間でリスクを抑えながら、市場に投入できると見込んでいます」。

今回のPoCプロジェクトを通して、ウインドリバーの取り組み、技術的な専門性、サポートの水準は、GSTAから高い評価を受けました。ウインドリバーは、GSTAと再び協力する機会を与えていただいたことに感謝しています。今後も同社がNFV導入を進めるなかで、実りある共同作業ができることを楽しみにしています。