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December 20, 2016

China TelecomがTitanium CloudベースのVirtual IMS PoCを完了


投稿者:Charlie Ashton

6月にChina TelecomがWind River Titanium Cloudネットワーク仮想化プラットフォームを評価するというブログ記事を書きました。China TelecomのGuangzhou Research Institute、NFV Infrastructure Technology and Solutions責任者兼シニアエンジニア、Ou Liang氏との会話に基づいて、今回の評価結果をまとめました。

Ou氏によると、China Telecomは、Titanium Cloudをプラットフォームとして使用して、各種Network Functions Virtualization(NFV)アプリケーションのホスティング能力を評価し終えたということでした。China Telecomは、コミュニティのOpenStackプラットフォームとは異なり、Titanium CloudはNFV導入に必要な堅牢さ、高可用性、ハイパフォーマンスを提供できるという結論に達したそうです。

この記事では、6月以降、China Telecomが行った評価作業について説明します。この間に同社はTitanium Cloud上でホスティングされたエンドツーエンドの仮想IMS(vIMS)アプリケーションのPoC(Proof-of-Concept)を完了し、スタック全体のパフォーマンス、安定性、スケーラビリティを分析しました。ここでは、このPoCで得た明確なビジネスインパクトを紹介します。

China Telecomについて

China Telecommunications Corporationは中国の国営通信会社です。中国最大の固定回線サービスプロバイダである同社は、モバイル通信プロバイダとしても第3位の規模を誇っており、4Gモバイル、ブロードバンド、データセンターサービスを2億人の加入者(一般消費者と企業)に提供しています。

China Telecomは、ネットワークの仮想化によって、固定回線の導入や、vEPC、vIMS、VoLTE、ビデオ品質保証、IoTなどのモバイルブロードバンド機能の導入を迅速化したいと考えています。膨大な数の加入者を抱えるChina Telecomは、商品化のスピードアップによってARPU(Average Revenue per User)が大幅に向上し、ネットワークの仮想化によって運用コストが削減できると期待しています。

Ou氏はChina Telecomの3つのR&Dセンターの1つ、Guangzhou R&D Centerを拠点として、データ通信とモバイル通信の両方で新しい技術を研究しています。このセンターのSDN/NFVプロジェクトチームが、NFVに関連する技術評価と標準定義を担当しています。Titanium Cloud PoCは、Data CommunicationsとWireless Communications部門が共同開発し、vIMSソリューションの実用性分析、技術標準の策定、NFV導入実績強化、この機能の最終的な本番導入のサポートを目的としています。

NFVインフラストラクチャの大きな課題

China Telecomは、業界のオープンスタンダードと互換性があり、オープンアーキテクチャに基づくオープンソースソフトウェアは、NFVの導入に非常に有利だと考えています。しかし、こうしたオープンソース原理には、いくつかの大きな課題があります。

1つ目は、これまでOpenStackのようなオープンソースプロジェクトは、エンタープライズITアプリケーションのニーズに基づいて推進されてきたという点です。しかし仮想化およびクラウド化された通信アプリケーションには、信頼性、セキュリティ、パフォーマンスなどの点で、はるかに厳格な要件が設定されています。Vanillaオープンソースプロジェクトではこの種の要件を満たすことができないため、第1の課題は、関連するすべてのオープンスタンダードとの完全な互換性を維持しながら、オープンソースソフトウェアを拡張およびカスタマイズして、通信業界向けのソリューションを作成することができる専門知識を備えたサプライヤを探すことです。

2つ目は、China Telecomが大規模な通信ネットワークの運用と高品質なサービスを中心にビジネスを展開しているという点です。仮想化ソフトウェアプラットフォームの開発や保守を行うソフトウェア会社ではなく、またそうなりたいとも考えていません。したがって2つ目の課題は、NFV導入時に必要なソフトウェアプラットフォームを確実に提供および維持することができるインフラストラクチャに関する専門知識、スケーラビリティおよびサポート能力を備えたベンダーを探すことです。

3つ目は、China TelecomのNFV導入スケジュールが厳しいため、ベンダーがインフラストラクチャソリューションのバグを修正し、複数回製品に反映させることで発生する遅れを回避しなければならないという点です。すぐに導入でき、市場で実績があるソリューションを求めています。

ウインドリバーの強み

Ou氏がNFVインフラストラクチャ評価用のサードパーティプラットフォームとして、またその後のPoCでWind River Titanium Cloudを選択したのは、次の4つの主な理由によるものでした。

第1の理由は、China Telecom自身がサードパーティNFVインフラストラクチャベンダーを利用して、垂直方向のNFVソリューションではなく、「3層分離」を行うためです。

第2に、China Telecomは、vIMS Virtual Network Function(VNF)の実行用に、vanillaオープンソースCloud Platformよりもはるかに高性能な、商用のキャリアグレードNFVプラットフォームを求めているからです。

第3に、China TelecomはPoCで使用されたHuaweiのvIMSなど、業界をリードする多種多様なパートナー製品がTitanium Cloudエコシステムで検証済みであるという点にも魅力を感じました。定められた検証プロセスにウインドリバーのパートナーが従うことで、関連するすべてのオープンスタンダードとの相互運用性が保証されます。その結果、China TelecomはNFV戦略に不可欠な、非常に効率のよい3層分離を達成できます。

第4に、China Telecomは以前の評価において、同社が求めている信頼性、セキュリティ、パフォーマンスの高いサービスが、Titanium Cloudによって得られることを確認していました。評価後にOu氏は次のように語っています。「NFVIにとって最も重要な点の1つが高可用性なので、弊社のテストでは非常に高い信頼性、堅牢性、リアルタイムの転送パフォーマンスが求められました。Titanium Cloudは、NFVインフラストラクチャの階層分離の可能性を検討する上で役立ちました。また、弊社の厳しいテストシナリオの基盤として、商用環境にすぐ導入できるNFVIプラットフォームを求めていましたが、このニーズにも応えてくれたのです。」

vIMS PoC

vIMS PoC用にChina TelecomはEricsson、Huawei、Nokia、ZTEの仮想IMS VNFをテストしました。これらはいずれも、Titanium Cloudを含むサードパーティNFVプラットフォームでホスティングされていました。業界標準のIntel製および他社製のホワイトボックスサーバーで、エンドツーエンドのアプリケーションを実行しました。このような3層分離によって、様々なベンダー間の相互運用性と、オープンスタンダードとの互換性をすぐにテストできました。

このようなマルチベンダー環境のテストでは、安定性、堅牢性、リアルタイム転送パフォーマンスと保守を中心に評価しました。パフォーマンス目標は、200万人の同時ユーザーと、240万のBHCA(Busy-Hour Call Attempts:最繁時呼数)という驚異的なものでした。

PoCの技術面だけでなく、China Telecomは複雑なテストプランをスムーズに実行するため、様々なベンダーがどのように連携するのかという点にも着目しました。

最終結果:メリットの数値化

今回のPoCを終えたChina Telecomから、以下のような結果を得ることができました。

  • 他のNFVIソリューションと比べて、開発時間を3か月短縮できました。
  • テストと確認のためのコストを30%削減できました。
  • エンジニアリングスタッフの生産性を高め、お互いのコラボレーションを強化することができました。

China Telecomのように大規模なサービスプロバイダにとっては、このような時間やコストの削減により、ソリューション導入と同時にROIを大きく改善することができます。

ウインドリバーでは、China TelecomによるvIMSの使用事例でのコラボレーション成功を大変うれしく思っており、China Telecom Guangzhou R&D Centerとの連携機会を与えていただいたことに大変感謝しています。China TelecomがNFV導入を拡大し、潜在的な仮想EPCなどの他機能を含む際には、また共同作業ができることを楽しみにしています。